前回から、架空の宅配便会社「まいにち宅配便」が開発を進めている「配達予約システム」を例にとり、UMLを用いてシステムの仕様をモデリングする方法について説明しています。今回は、システム仕様の中で重要な要素の1つである「ユースケース」の仕様をモデリングする方法について解説します。 ユースケースの検討は、システム要求から仕様化まで一貫して行います。システム要求の段階ではアクターの視点から見たユースケースの振る舞いを定義します。そのため、仕様化の段階ではシステムの視点から、「画面などユーザーインタフェースの表示(出力)」「入力チェック」「データの更新」「他システムとの連携」といったユースケースの振る舞いを定義します。 具体的には、ユースケースの振る舞いを俯瞰する図としてロバストネス図を相互作用概要図 (図1、注1)を使って作成し、仕様の詳細をドキュメントに記述します。 図1 配達予約のためのユース