探査機「はやぶさ」が2010年6月に地球に持ち帰った、小惑星イトカワの微粒子の表面模様を分析したところ、微粒子表面に40億年以上昔から現在に至るまでの歴史が刻まれていることが明らかになった。 【2016年6月23日 ISAS】 探査機「はやぶさ」は2005年11月に小惑星イトカワの「ミューゼスの海」と呼ばれる領域から微粒子約1000個を採取し、2010年6月に地球へと帰還した。以来、微粒子を用いた様々な分析が行われている。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の松本徹さんたちの研究チームは微粒子の表面に記録された模様を調べ、イトカワの歴史などを探ることを試みた。分析された微粒子の大きさは数十μm(1μmは1000分の1mm)で、その表面の模様はナノメートル(1mmの100万分の1)程度しかないが、研究チームはX線マイクロトモグラフィー(X線CT)や走査型電子顕微鏡を用いて微粒子表面の微細構造を