東京湾に注ぐ主要河川の河口部で、本紙が独自に堆積物を採取し放射性セシウム濃度を調べたところ、東京電力福島第一原発事故から五年半がたっても、川で運ばれてきたセシウムが新たに蓄積され、濃度はあまり低下していないことが分かった。調査は三回目。海水魚はセシウムを取り込んでも排出するため、影響は限られるとみられるが、継続的な監視は必要だ。 (原発取材班) 採取は九月十六と十七の両日、関東学院大の鎌田素之(もとゆき)准教授(環境工学)や学生二人の協力を得て実施。鶴見川、多摩川、隅田川、荒川、旧江戸川、花見川の六河川の河口で、二種類の採泥器を使い、海底の表層のほか、海底下四十センチまでの堆積物も採取した。 最も高い濃度を検出したのは、印旛沼(千葉県)につながる花見川(同)。一キログラム当たり四五二~七八九ベクレルと、他の河口より突出して高かった。基準値はないものの、原発で使ったコンクリートや金属を再利用