単純な“演算性能”だけではない、富岳の強さの背景 当時の国会で、仕分け対象として議論されていたのは、後に2011年に「TOP500」で首位となる「京(けい)」で、その名の通りLINPACKで1秒に1京回以上の性能を目指した開発プロジェクトだった。ちなみに富岳は毎秒44京回超、富岳を凌駕(りょうが)したフロンティアは110京回を超える性能だ。 当時、この言葉だけが独り歩きし「2位にしかなれないなら意味がないから予算は出せない」という“足切り”の象徴のように捉えられていた。実際にこのプロジェクトは仕分け対象になり、予算は凍結。その後、復活して開発が続けられ、世界一を獲得することになるが、一度は足切りされてしまった。 しかし、富岳が圧倒的な性能で世界一になり、その後もトップクラスであり続けているのは「2位じゃダメなんでしょうか?」という言葉が、一つのヒント、ターニングポイントになっていることが、