これまで同程度の濃度の汚染水漏洩は、昨年3月に推定120m3が漏れたのが最大でした。今回はそれを大きく上回ります。昨年3月の漏洩時は、排水溝を通って海に80リットルが出たと推定されています。 今回の漏洩がこれまでと違うのは、汚染水のタンクそのものから大量に漏洩した点です。前述した昨年の事例は、汚染水を移送する耐圧ホースからの漏洩でした。ホースの破損が大量の漏洩につながりました。 しかしこれまで、貯蔵タンクからの漏洩は、接合部から少量が滴下、あるいは染み出す程度しかありませんでした。そのため東電や旧保安院は、増し締めやコーキング(接合部の隙間を充填剤でうめる)で対応してきました。けれども今回の漏洩はわずか1日程度で300トンが漏洩しました。タンクのどの部分から漏洩があったのかはまだ不明ですが、仮にタンクそのものの劣化が発生していたりすると、以前にも書いたように大量の交換作業が必要になります。