デフレ脱却とそれによる景気の拡大の議論に対するもっともプリミティブな批判はこのような「他にも問題はある」論ではないでしょうか.これは全く正しい.そして正しい故に無意味です. 経済政策は3つに大別されます.成長政策・安定化政策・再分配政策です.デフレの問題は主に第二の安定化政策に関するもので,安定化政策が行われれば成長政策や再分配政策は不要であるというわけではありません.日本の経済政策は,成長・安定・分配ともに大きな問題を抱えており,それぞれに対応が必要でしょう. そして,成長政策・分配政策がどのような方向に進むにせよ,そのためにはデフレ脱却という援護射撃は重要な役割を果たします. 第一の論点は,成長政策と再分配政策の関連性です.デフレ下では現金に代表される名目固定的な資産の保有が有利になります.例えばデフレ下では100万円分の砂糖を買って1年間置いておいたら*1,デフレによる値下がり分損し
[お知らせ] 「DSGEとベイズ統計学」解説論文査読者募集中! http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20091112/p1 [お詫び] 本日の朝このエントリーを更新した時に冒頭に不適切な表現があり、皆様には不快な思いをさせてしまい大変に申し訳ございませんでした。robinsさん、yagenaさん適切なアドバイスをいただき本当にありがとうございます。今後はこのようなことのないように社会人としての節度を守り、応用統計学者としての職務を全うする所存です。皆様今後ともよろしくお願いいたします。 [お断り] 当blogに書かれていることは矢野浩一個人の意見であり、矢野が属するいかなる団体とも関係ありません。 [はじめに] インフレとデフレと景気に関しては非常に社会的影響が大きいこともあり、世間の話題に上ることも少なくないのですが、それらに関するよくある質問集(FAQ)を
技術が消える! 窮地に立つ防衛産業<1> 戦闘機の生産現場 受注減で熟練工流出 撤退相次ぐ下請け 「もう続けられない」 航空機の降着装置系統の製造ラインで組み立て作業に当たる技能工(兵庫県尼崎市の住友精密工業本社工場で) 「このまま受注がなければ、技術者や技能工を維持できず、自衛隊の戦闘機が飛べなくなる」。東京・港区のJR品川駅近くにある三菱重工業本社ビルの一室で、戦闘機の生産技術基盤についてそう語るのは、同社航空宇宙事業本部の伊藤一彦防衛航空機部長。 愛知県にある同社小牧南工場のラインは年間最大12機の組み立てが可能だが、ここ数年は半分の5、6機ほどしか組み立てていない。 平成23年9月末にF2戦闘機の最終号機を防衛省に納めると、戦闘機の組み立てラインは完全に止まる。ラインの再開はFXの機種選定の時期などを考慮すると最短でも約2年半後になるが、現状では機種選定そのものも見
護衛艦内で初の国際シンポ 日米英の当局者「海洋安保」巡り意見交換 海軍間の協調で効果 ヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」艦内の多目的区画で開かれた海洋安全保障シンポジウム(10月24日、横浜港で) 第1部は「海洋安保のための国際協力」がテーマ。秋山昌広海洋財団会長(元防衛事務次官)のあいさつ後、森本敏拓大大学院教授の司会で進められた。 出席者は高見沢将林防衛省防衛政策局長、石井正文外務相総合政策局参事官、阿川尚之慶大常任理事、J・アワー米ヴァンダービルト大教授、R・レン在日米海軍司令官、駐日英武官のG・デリック海軍大佐と海幕の武居智久防衛部長。聴講者も日英同時通訳によりシンポに加わった。 最初に武居部長が「グローバルな海洋安保における協調的行動の意義」という観点でプレゼンテーションを行い、ソマリア沖海賊対処を例に「各国海軍が協調して海洋の安全保障に取り組む時代となっている」として、「各
海自イージス艦「みょうこう」 SM−3で標的(模擬弾道ミサイル)撃破 ハワイ沖 「こんごう」に続き成功 米国で対空ミサイルSM3搭載のための改装を行っていた3護群7護隊(舞鶴)のイージス護衛艦「みょうこう」(7250トン、艦長・島村雄司1佐)は10月27日(日本時間28日)、ハワイ・カウアイ島沖で初のSM3実射試験を行い、標的の迎撃に成功した。 海自のイージス護衛艦「みょうこう」から標的の模擬弾道ミサイルに向けSM3対空ミサイルが発射された瞬間(現地時間10月27日午後6時4分、ハワイ・カウアイ島沖で) SM3の搭載護衛艦3隻に 海自がSM3実射試験に成功したのは一昨年の「こんごう」に続いて2回目。これにより弾道ミサイル防衛のためのSM3搭載艦は1護群の「こんごう」、2護群の「ちょうかい」に続き、3隻となった。 試験は27日午後6時(同28日午後1時)過ぎ、カウアイ島の米海軍
仕事も家庭も世界が舞台! オーストラリア人の夫と3人の子どもと共にロンドンにて世界級ライフスタイルを実践中! 先月のThe Economistの記事で私の周りで話題になった記事がありました。 フランスの自殺率がヨーロッパの中で飛び抜けて高い、というこの記事(下記にリンクを貼っていますが、the economistはこちらで書いたようにサイトは一部有料化の流れなので、後で読みたい人はコピペするなどしてください)。 The Economist : Bonjour tristesse 右のグラフでもわかるように、国民100,000人あたりの自殺数がイタリアやイギリスの2倍以上、ドイツより40%高い(もちろん日本の自殺率はフランスより高いのですが・・・)。 私の周り(非フランス人)の反応は「おいおい、フランスといえば週35時間労働制で(*1)私たちの半分の時間しか働かず、夏は2ヵ月のバカンス。 失
追記:できました! night_in_tunisia さん最高です イングランド銀行発行 解説!量的緩和 日本語版 プレビュー - 徒然なる数学の日々 「解説! 量的緩和」(PDF) イングランド銀行がインフレターゲット政策について一般向けにわかりやすく解説したパンフレットをだしています: "Quantitative Easing Explained" (PDF), Bank of England. 図解入りで視覚的にもいいかんじです: このパンフレットの翻訳がただいま進行中です: BOE インタゲパンフレット翻訳企画 解説の文章そのものはひととおり訳がおわり*1,いまは night_in_tunisia さんの手で編集中です. 原書のデザインを再現した,night_in_tunisiaさん渾身の表紙: 左下にある「目本銀行」の文字があやしさ炸裂 燦然とかがやきます: ちなみにほんとの日銀
問 「子ども手当」を含め、民主党はマニフェスト至上主義に陥り、財政規律の悪化を招くと指摘されています。 答 マニフェストは国民との約束だとの考え方は一切変わってはいません。ここで約束を破ったら、自民党政権と同じになってしまう。 問 しかし、補正予算の減額など、思ったほど財源が出てきません。 答 行政刷新会議や財務省が厚労省関連予算の削減に向けて動いています。実は、厚労省自身もその削減に取り組んでいるのです。刷新会議や財務省は、あくまで外部の視点で削ります。それを内部からも見つめ直す。事務次官をトップに厚労省の内部からムダな予算を削る作業をしています。 大臣という名のマネジャー 問 そうしたムダの排除を人事評価につなげていく考えとか。 答 ムダを排除しながら、役所の文化そのものを変えていきます。私は大臣という名のマネジャーです。本来の役割は、政策の大きな方向性を決めることと、役所の文化を変え
まあさんざん既出だけど、勝間和代さんが反デフレ戦線に参戦。http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2009/11/post-288b.htmlマスコミの反応が気になるなあ。高橋洋一、宮崎哲弥、三宅久之の時も完膚なきまで叩きのめされた。最近産経がデフレ特集を組んだみたいだけど、メディア全般としてデフレへの視点はどうなってるんだろう。橘木俊詔著「新・日本のお金持ち研究」で気になることが書いてあって、2004年の調査だが、5年前と比べて自分の資産が増えたと答えた富裕層が6割以上いるし、一般国民の低所得化についても自己責任とする考え方が圧倒的多数とのこと*1。デフレ不況は富裕層より低所得層に与えるダメージがはるかに大きい*2とするならば、エスタブリッシュメントである社会の有力者たちがこのことに冷淡なのは頷けるんじゃないかと思った。そしてマスコミは大本
リフレ政策ポータルWiki このWikiは、リフレ政策のポータルサイトです。リフレ政策に関する疑問などありましたら、このサイトにあるリンクからお探しください。なお、誰でも編集できる形で公開しておりますが、リフレ政策に賛同されない方は編集をご遠慮ください。コメントなどは「ご意見・ご感想」のページにお願いいたします。 トップページページ一覧メンバー編集 イングランド銀行パンフレット「量的緩和とは何か」 最終更新:ID:a512P/DcEQ 2009年11月16日(月) 15:35:46履歴 Tweet 注意:この文章はイギリスの中央銀行であるイングランド銀行が自身の政策を一般向けに説明するために作成したパンフレットを翻訳したものです。現在イギリスでは2%のインフレーションターゲットを設定しており、このターゲットを実現するために量的緩和が必要となっていることを説明している点に留意して下さい。 P
雪斎先生の「自分で食えない国」の分際を読む。何とも大袈裟な話だと感じる。 民主党政権の面々のうち、誰一人として日米同盟を否定している人はいない。当面、争点になっているのは普天間への基地移設問題だけで、もちろん軍事戦略上、決して小さい問題ではないが、日米関係全体の中で言えば one of them に過ぎないのも確かなことだ。 今回は特に、日本側で政権交代があったのだから、外交関係でも何がしら影響が出るのは当たり前の話であって(だからアメリカで政権交代の度に日本政府は右往左往するのだ)、充分にその許容範囲内の話である。 外交において 0 か 1 かを迫るが如き、状況認識はいただけない。私は雪斎先生がそのような認識を持っているとは考えないが、結果として複数のエントリーを通してアナウンスしているのは、そういうことである。 日本の場合、シーレーン防衛はアメリカ海軍に依存しきっており、日本が島国であ
今日のイギリス南部は朝から曇っておりまして、しかも強烈に寒くなりました。夕方に青空は見えたのですが、太陽は見えない日曜日でした。 さて、2日前の金曜日にロンドン大学のC教授の講義をモグリで受けてきたことはすでにお話した通りですが、今日はその時の講義の内容を。 相変わらず教授の講義は刺激的な内容だったのですが、ここでは講義の内容をすべて記しておくスペースはないので、印象に残ったことだけをいつものようにポイントフォームで。 ===== ●非対称戦(asymmetric warfare)というのは国家レベルでは失敗するが、非国家レベルでは大成功を収めている。 ●イスラムの暴動側は、戦争をあえて理論化しない。なぜなら神(アラー)は理論化を必要としていないからだ。 ●トラボラの洞窟では読みかけのクラウゼヴィッツの『戦争論』の英語版が見つかった。 ●イブン・ハルドゥーンの思想が、イスラムの暴動側の考え
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