米航空宇宙局(NASA)は9月23日(米国時間)、太陽風(太陽から放出される電子と陽子の風)が、ここ50年間で最も弱いレベルに低下したと発表した。 太陽風は、探査機『ユリシーズ』の太陽風検出器『SWOOPS』によって観測されてきたが、太陽風の弱まりは1990年代中ごろに始まった。 科学者たちは、原因や結果については正確にはわからないとしているが、宇宙飛行士にとってはありがたくない話のはずだ。 太陽風は、太陽圏を膨張させる。太陽圏とは宇宙放射を屈折させる磁気の泡なので、これが収縮すると、宇宙旅行者――および宇宙旅行用機器――は、放射線障害を受ける可能性があるのだ。実際、1977年に打ち上げられた2基の宇宙船『ボイジャー1号』および『ボイジャー2号』は、予想より早い時期に、収縮する太陽圏の外に出ることになるだろう。 太陽風はこのまま勢いを失っていくのだろうか? ユリシーズ計画の科学者