ロシア・モスクワのスーパーマーケット。ロシアは高金利でインフレを抑制しようとしているが、反動で景気後退リスクが高まっている=6月30日(小野田雄一撮影) ロシアで企業による従業員への賃金未払いが拡大している。5月の未払い賃金は計約16億6千万ルーブル(約30億5千万円)に上り、1年前から3・4倍に増加した。主な要因は、ウクライナ侵略を背景として露中銀が設定してきた20%以上の政策金利により、利子の支払いに追われて手持ち資金が枯渇する企業が増えていることだという。未払い賃金の増加は景気後退の兆候といえ、プーチン政権は危機感を募らせている。 インタファクス通信によると、露統計当局は6月25日、5月末時点の未払い賃金額を発表。企業の未払い賃金は4月から約1億8千万ルーブル増えて計16億6120万ルーブルとなった。業種は建設業が46・8%で首位。以下は製造業(11・5%)▽水処理・ごみ回収業など(