太平洋戦争中の1942年2月3日、山口県宇部市の床波海岸にあった「長生炭鉱」で、天盤崩壊による水没事故が起きた。朝鮮人136人と日本人47人、合わせて183人が命を落とした。 この事故の犠牲者の遺骨は、83年以上経った今も回収されず、海に眠ったままとなっている。 今年4月1日から4日にかけて、長生炭鉱の坑口で、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(刻む会)が遺骨発掘のための潜水調査をおこなった。このうち2日間は日韓のダイバーが共同調査した。 2025年2月に続いて3回目となったが、いずれも調査にあたったのは、水中探検家の伊左治佳孝さん(36)だ。 国内外の沈没船や海底洞窟など、水中における閉鎖空間で調査を続ける伊左治さんは「長生炭鉱での僕のミッションは遺骨を見つけること」と語る。伊左治さんに遺骨発掘の意義について聞いた。(ライター・朴順梨) 周防灘に面する海底炭鉱である長生炭鉱は、1
