中高年のひきこもりという、命にも関わる深刻な社会問題。ここでは臨床心理士の桝田智彦氏が「セルフネグレクト」と「8050問題」について解説し、ひきこもりの実情を紐解いていきます。 ※本連載は、書籍『中高年がひきこもる理由』(青春出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。 ひきこもりは、「命にかかわる孤独の問題」 今のところ、ひきこもりと無縁な生活を送ってきていれば、「閉じこもっていても、なんだかんだ生きているのだから問題ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。 この問いに対しては、ひきこもり、そしてひきこもりによる「孤独」はときに、その人の命をも奪う重大な問題となりえることを申しあげたいと思います。とくに中高年のひきこもりでは、「孤独による死」が顕著に見受けられるのです。 ひきこもりを日本のどこかで起きている社会問題と曖昧に考えるのではなく、ひきこもりは「命にかかわる孤独の問題」である