護岸壁が川側に傾いた那珂川の河岸。護岸裏の土が沈下し、背後地の地面にはひび割れがみられる=8月、福岡市南区的場 福岡市南区的場の那珂川に福岡県が整備した護岸壁に、完成からわずか2年余りで多数の亀裂や傾きが数十メートルにわたって発生していることが分かった。西日本新聞「あなたの特命取材班」に寄せられた情報を基に取材を進めると、軟弱地盤が影響した可能性が浮かび上がった。同県は工事に問題はなかったとの立場の一方、「補修か再工事が必要」と認める。専門家は「護岸が崩壊する恐れもある。早急な調査を行うべきだ」と指摘する。 【別カット写真】崩壊する恐れも…護岸壁に数メートルの亀裂 問題の工事は「那珂川護岸工事2工区」。河岸160メートルに、コンクリートブロックを張り詰めた護岸を設けるもので総工費約8千万円。同県春日市の建設会社が請け負い、2018年9月に着工し、19年3月に完成した。 取材班は今年5月から