宇都宮大学の国際学部で学ぶ4年生のフィリピン人女性(22)が、大学から授業料を免除しすぎたとして、計約44万円を3週間以内に納付するよう求められた。大学は29日の期限までに支払わねば除籍処分にするとしており、女性は窮地に立たされている。両親は低所得で、一括払いは苦しい。分割を求めても、大学は拒否。専門家は「常識的に無理がある要求で、学ぶ権利の侵害にあたる」と指摘する。(池尾伸一)
「おじいちゃんのチーズケーキ」と、親しまれているケーキ専門店が東京・中目黒駅近くにある。「ヨハン」。男性のケーキ職人7人全員が、ケーキを作り始めたのは定年退職後だ。平均年齢は73歳ほど。彼らはなぜ職人になり、どんな思いで働いているのか。定年後のセカンドキャリアを探ろうと、店を訪ねた。(中村真暁)
グーグルマップで遊んでいたら、北太平洋にぽつんと浮かぶミッドウェー諸島に、明治時代の「櫻井又五郎」という名の墓を見つけた。 墓の存在に気づいたのは2020年9月。新型コロナウイルス「第2波」で自粛ムードが漂う中、せめて旅行気分だけでも、と(グーグルマップで)太平洋の島々を巡っていた時だった。 深夜にスマホの中の墓を見つめながら、素朴な疑問が浮かんだ。100年以上も昔、櫻井さんはなぜこんなところに? こつこつと調査を重ね、結論には至っていないが、ひとまず経過をまとめてみたい。何か情報をお持ちの方は、ぜひお寄せください。(デジタル編集部・谷岡聖史) ミッドウェー諸島(環礁) ホノルルから約2000キロ北西、東京都心から約4100キロ東南東にあり、主に大小2島からなる。世界複合遺産でもある北西ハワイ諸島の一部だが、行政上はハワイ州ではなく、米連邦政府の魚類野生生物局が直接管理する。長らく無人島だ
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
政府は21日、菅義偉首相の後任首相を選出する臨時国会の10月4日召集を閣議決定した。憲法53条に基づく野党の召集要求は2カ月以上も放置したのに、自民党総裁選を受けて国会を開く形となった。それに伴い、次期衆院選は初めて議員任期満了(10月21日)を越えて行われるのが確実。不人気の首相を交代させて選挙戦を有利に進めたい自民党の党利党略により、憲法を軽視するような異例の事態となる。(川田篤志、大野暢子) 臨時国会で新首相が選出されると直ちに組閣し、新内閣を発足させた後、副大臣・政務官人事などを行う。投開票日を慣例通り日曜として、議員任期内に衆院選を行うには、最も遅くて10月5日公示、17日投開票にしなければならず、総裁選日程に合わせて4日に臨時国会を開いていては事実上、間に合わない。 衆院選の任期越えは過去に例はなく「憲政の常道に反する」という懸念も憲法学者に根強い。早稲田大の水島朝穂教授は「任
自民党、国民民主党、日本維新の会、社民党、れいわ新選組の5党が2019年、「政策活動費」や「組織活動費」の名目で党幹部ら30人に総額約22億円を支出していたことが、政治資金収支報告書の本紙の調査で分かった。禁止されている政治家個人への寄付を政党だけに認める制度があるためで、その先の使途は報告義務がない。1994年の政治改革で小選挙区制と同時に埋め込まれた「抜け穴」は、秋に総選挙を控えた現在も解消されていない。 政治資金収支報告書 政治団体の収入、支出、資産を記載するよう政治資金規正法で定める報告書。年間5万円超の寄付をした人や、20万円を超える政治資金パーティー券の購入者も記載する。総務相や都道府県の選挙管理委員会に提出。総務相所管の2019年分は昨年11月に公表された。
東京都の小池百合子知事は19日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が東京パラリンピックで、児童や生徒に観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」を行うことに慎重な姿勢を見せていることについて、都庁で報道陣の取材に応じた。小池氏は「尾身会長からは、オリンピックの際も、同様のご指摘もいただいていたかと思いますが、安全、安心な大会としてやり切った」と述べ、尾身氏の指摘は当たらないとの考えを示した。 東京ではこの日も新たに過去2番目となる5534人の新型コロナウイルスの感染者が確認され、感染の高止まりが続いている。尾身氏は19日の参院内閣委員会閉会中審査で、東京パラリンピックでの「学校連携観戦プログラム」の実施について「(五輪開催時と比べ)今の感染状況はかなり悪い。そういう中で考えていただければ、当然の結論になると思う」と述べ、慎重な考えを示した。 これに対し、小池氏は「尾身会
菅義偉首相は10日、長崎市で9日に開かれた長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に1分遅刻したことを陳謝した。「少し前に会場に着いていたが、結果的に時間管理上の問題で遅刻してしまった。心からおわび申し上げたい」と説明した。バイデン米大統領との電話会談後、官邸で記者団の取材に応じた。政府関係者は、トイレに立ち寄ったのが理由だと明かした。 関係者によると、首相は式典の開始予定時刻だった9日午前10時45分の4分前に会場の平和公園に到着し、トイレに向かった。ただ予想以上に遠かったため、移動に時間がかかったという。会場で着席したのは式典開始が告げられた後の同46分だった。
新型コロナウイルス患者の入院対象を重症者らに限定する政府方針に対して4日、与野党から撤回を求める声が一斉に上がった。病床逼迫(ひっぱく)を回避するため、政府は重症化リスクが低いとされる患者の自宅療養を主流にしたい考え。だが、重症化するかどうかの判断は医師でも難しく、自宅療養の患者の命を危険にさらす懸念はぬぐえない。十分な説明がないままの急な方針転換だけに、見直しを迫られる可能性もある。(大野暢子、市川千晴、生島章弘) 「デルタ株は大変な脅威だ。入院しなければならない人が入院できる対応ということを理解してほしい」 田村憲久厚生労働相は4日の衆院厚労委員会で、入院制限は必要な措置だと強調した。 もともと、ワクチン接種が進んで感染状況が落ち着けば、コロナ患者も季節性インフルエンザのように自宅療養を基本にするというのが政府の既定路線。暮らしや経済を日常に近づけるためで、官邸幹部は「患者の多くは若い
東京五輪の外国人の大会関係者らが、ボランティアの運転する車で大会と無関係なレストランや商業施設へ出掛けていると、ボランティアドライバーを務める女性が本紙に証言した。選手らと外部との接触を遮断する「バブル(泡)方式」を壊す行為だけに、女性は「行きたいと言われたら、どこへでも行かざるを得ないが、ルール違反を手伝いたくはない」と悩む。(奥野斐、梅野光春)
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は4日、大会関係者全員に課している新型コロナウイルスのPCR検査で、陽性が確認されながら個人が特定できていないケースが8件あると発表した。コロナ対策で関係者と外部を遮断する「バブル(泡)方式」にさまざまな「穴」が指摘される中、組織委が繰り返し強調する「強靱な検査体制」でもほころびが浮かんだ。(小嶋麻友美) 唾液を採取する検査は職務に応じて、毎日や4日に1回などの頻度で実施が義務付けられている。原則として、各自は競技会場などで検体を提出するとともに、登録サイトで検体の11桁のバーコード番号、個人の7桁のアクレディテーション(参加資格証)番号と生年月日を入力する。
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