福島第一原発の事故で多額の損害を受けたとして、東京電力の株主が旧経営陣5人に対し会社に賠償するよう求めた裁判で東京高等裁判所は、13兆円あまりの賠償を命じた1審の判決とは逆に旧経営陣の責任を認めず、株主側の訴えを退けました。 巨大津波を“予測できたか” “対策取れたか” 大きな争点に 福島第一原発事故については、東京電力や旧経営陣それに国の責任がさまざまな裁判で争われ、この中では▽原発を襲った巨大津波の発生を事前に予測できたかどうかと▽予見した場合に事故を防ぐ対策を取ることができたかどうかという2点が大きな争点となってきました。 このうち巨大津波を予測できたかどうかをめぐっては、事故の9年前の2002年に国の地震調査研究推進本部が公表した地震・津波の『長期評価』の信頼性が判断のポイントになっています。 東京電力は、『長期評価』に基づき、福島第一原発に最大15.7メートルの津波が来るという計
