人類全体が試されている 新型コロナウイルスがアジアに押し寄せる直前、昨年末から今年1月にかけて、日本の周辺国・地域を逍遥した。具体的には、香港、マカオ、北京、台湾だ。コロナ発生源となった武漢にも、高速鉄道で立ち寄った。各地で様々な立場の人々に話を聞いて、2020年のアジアは「大乱の時代」になると確信した。 それらの見聞と思索をまとめて、『アジア燃ゆ』という新書を先週、上梓した。新型コロナウイルスの発生で、中国国内で一体何が起こっていたのかについても、かなり踏み込んで書いた。どうぞご高覧下さい。 普段アジアを研究している身としては、「日本のことは日々、多くの論客が侃々諤々語っているから、それで十分でしょう」と、つい遠慮がちになってしまう。だが、コロナウイルスという「大乱」は、いまや日本も渦中にある。そこで今回は、諸外国と比較しながら、日本のことも述べたい。 今年1月23日、新型コロナウイルス