映画『ラストマイル』が公開25日間で観客動員数271万人、興行収入38.5億円を突破した。ドラマ『アンナチュラル』と『MIU404』を手がけた塚原あゆ子監督と脚本家・野木亜紀子氏による作品で、その舞台は「世界規模のショッピングサイト」の巨大物流倉庫や、運送会社のオフィス、配送の現場だ。90年代から物流業界を取材してきたジャーナリストの横田増生氏が、“業界のリアルな現状”について解説する。(全2回の1回目/後編に続く) ◆ ◆ ◆ 映画館の画面いっぱいに映るネット通販企業の物流センターや、宅配便の配送トラックを見ながら、時代は大きく変わったな、と思わずにはおられなかった。 「DAILY FAST」の巨大物流倉庫(映画『ラストマイル』公式Xより) 「社内で不要な波風が立つんですよ」 90年代に物流業界の業界紙記者としてジャーナリストのキャリアをスタートさせた私は、物流の現場を舞台にした劇場映画