第二次安倍政権の発足以降、特定秘密保護法の成立、集団的自衛権の行使容認、排外主義の横行、愛国心の強制と、戦前を想起させるようなイヤ〜な空気が急速に広がっているが、しかし、この危機感は実はまったく共有されていないらしい。 そのことを痛感したのが、ホリエモンこと堀江貴文と作家で尼僧の瀬戸内寂聴との対談本『死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論』(角川学芸出版)だ。少子化問題やブラック企業問題、原発の問題など9つのトピックについて語り合っているのだが、「戦争、するの? しないの?」と題された章では二人の考え方が真っ向から対立というか、完全にすれ違ってしまっていたのである。 まず、1922年(大正11年)生まれの御歳92歳の寂聴は今の状況に相当な危機感を抱いているようだ。東京女子大学に入学して1年後に真珠湾攻撃が起きた。そのころから「だんだんとものが言えなくなってきた」という。そし
