死が今日は私の前に立っている、 病人が元気になる時のように、 拘禁の後に自由となり外へ踏み出すように。 死が今日は私の前に立っている、 ミルテの薫りのように、 風の強い日に帆の下に座るように。 死が今日は私の前に立っている、 蓮の花の薫りのように、 酩酊の岸に座るように。 死が今日は私の前に立っている、 雨があがるように(もしくは「道を歩くように」)、 男が戦場から帰還する時のように。 死が今日は私の前に立っている、 空がベールを脱ぐ時のように、 謎の答えを見付けた時のように。 死が今日は私の前に立っている、 長年を捕囚として過ごした後に 我が家を再び見るように。[1] 『生活に疲れた者の魂との対話』(もしくは『ある男とそのバーとの対話』)は古代エジプト文学の作者不明の詩的テクストである。エジプト中王国の第12王朝(紀元前1900年頃)時代に書かれたものと推定されている。 男の人生の苦悩に