(2011年12月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 欧州連合(EU)は先週、ユーロ圏と英国がEUで仲良く共存できるという幻想を打ち砕いた。その意味では歴史的な首脳会議になったかもしれない。だが、EU条約の枠外で財政同盟を作るという今回の決定は、ユーロ圏危機の解決には何の役にも立たないだろう。 財政同盟なるもののとらえ方は様々だ。かなり進んだ統合をイメージする人もいれば、そうでない人もいる。財政規律の強化にこだわる人もいれば、共通債の発行にこだわる人もいる。 しかし、どんな形がいいと思うにせよ、財政同盟はEU条約の枠外での実現を目指すべきものではない。 通貨同盟の政策協調の法的根拠はすべて既存の条約にあるのだから、これらの条約の適用を逃れようとすれば、状況は非常に混乱したものとなる。 財政統合にはEU条約改正が欠かせない 条約改正は大仕事であり、各国があまり乗り気になれない理由も理解