【読売新聞】 【ワシントン=淵上隆悠】米国のトランプ大統領は米タイム誌が25日に公開したインタビューで、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島について、「ロシアのものになった」と改めて強調した。 トランプ氏は

自動運転を疑う【後編】 米国を中心に、各地で自動運転技術の開発が進んでいます。巨額を投じて開発を進める企業がしばしば強調するのが「自動運転は、生身の人間の運転より安全だ」という点です。前編では、自動運転自動車による安全性に関するデータは十分に集められていないと指摘したITジャーナリストの星暁雄さんが、後編では、世界シェア1位の電気自動車に先進的な運転支援を搭載したテスラを例に、企業の安全に対する姿勢を考えます。 自動運転技術に関連して、EV(電気自動車)で世界シェア1位のテスラは目立つ企業である。同社CEOのイーロン・マスク氏は自動運転の将来性を声高に宣伝してきた。同社はレベル2(人間の介入を前提とした自動運転に準じる運転支援機能)の「オートパイロット」機能を市販車に搭載しており、テスラのユーザーは自動運転機能(運転支援機能)に慣れ親しんでいる。また同社は自動運転タクシー事業への参入意向を
自動運転を疑う【前編】 いま世界で自動運転技術の開発が進んでいます。巨額を投じる開発企業がしばしば強調するのが「自動運転は、生身の人間の運転より安全だ」という点です。一方で、自動運転自動車による死傷事故は数多く報告されています。ITジャーナリストの星暁雄さんが、自動運転技術にまつわる安全性への疑問とともに、企業の安全に対する姿勢を前編・後編の2回に分けて論じます。 自動運転技術を普及させる取り組みが進んでいる。「サンフランシスコ市で完全自動運転タクシーに乗ってみた」、「日本でも自動運転技術のテスト始まる」といった内容の記事を目にする機会が増えている。筆者は、東京近郊の自宅付近で自動運転技術の実証検証中と記されたマイクロバスが公道を走行している様子を目にした。 次のような主張を耳にすることもある。「完全自動運転が普及すれば事故が減る」「運転手不足の問題は自動運転技術で解消できる」「マイカーを
OpenAIが2024年5月13日に発表した新たなAI(人工知能)技術であるGPT-4o。前編ではAIの「声」が「自分の声と似すぎている」という俳優スカーレット・ヨハンソンの抗議の背景から同社の倫理面の課題を考察した。後編では、急速に大規模化するAI開発投資の問題を取り上げる。(星暁雄=ITジャーナリスト) AI開発企業が抱えるもうひとつの課題は、AI開発投資が極端なまでに大規模化しつつあることだ。OpenAIやマイクロソフトのようなAI開発企業は、今後数年の間に、AI関連の開発投資を「1000億ドル(約15兆6000億円)」あるいは「7兆ドル(約1092兆円)」と極端な規模へと拡大する野望を抱いている。現状のAIの100倍、あるいはそれ以上の規模のAIを作り出すためだ。 大規模投資計画は現状の100倍以上 2024年2月、AI開発企業OpenAIのCEOであるサム・アルトマンが、AI向け
GPT-4oに搭載された合成音声「Sky」が自分の声にそっくりだと抗議声明を出したハリウッド俳優のスカーレット・ヨハンソン=2023年5月24日、フランス・カンヌ、ロイター
[ 星暁雄の仕事はこちら ] 2023年7月1日、日本でもTwitterの不調、不具合を訴えるツイートが増える様子を見た。「API制限のメッセージが出て閲覧できない」「自分のツイートも見られない」などの内容だ。今回の機能不全に関して、メモを残しておきたい。一言でいえば、Twitterの経営判断ミスと技術的ミスの積み重ねにより、ユーザーに迷惑がかかる結果となった。その背後には組織の弱体化があると考えられる。 Twitterのオーナーであり、CTO(最高技術責任者)を名乗るイーロン・マスク氏は7月1日(現地時間)、Twitterユーザーが感じている不調の理由は「異常なスクレイピング(注:Webサイトから機械的にデータを取得すること)の負荷に対応するため、閲覧できるツイート数を制約したため」と説明した。 いくつかのアカウントが機械的に大量のツイートを収集する挙動をしているため、全ユーザーに対して
漫画家・あらゐけいいちさんが、小学校の音楽の教科書『小学生の音楽』(教育芸術社)で、表紙と登場キャラクターのイラストを担当したことを発表しました。 教科書は小学1年〜6年までの全学年が対象。令和6年度、2024年4月から使われます。 あらゐけいいちさんは『日常』や『CITY』などで知られる漫画家。現在は連載再開した『日常』と新連載の『雨宮さん』の2本を執筆しています。 「全ての子どもたちに音楽をする喜びと楽しさ」を 教育芸術社の公式サイトによると、あらゐけいいちさんがイラストを担当した令和6年度版『小学生の音楽』は「全ての子どもたちに音楽をする喜びと楽しさ」を届けることを目標に制作。 「学びが見える」「学びがつながる」「楽しさを大切にした学び」と3つ挙げられた改定ポイントの内、最後の「楽しさを大切にした学び」において、あらゐさんのイラストが紹介されています。 教科書には、あらゐさんの手掛け
日本生まれのスタートアップ企業が、一国の中央銀行のためにデジタル通貨のシステムを構築した――。こう聞くと「えっ、本当なの?」と思う人もいるかもしれない。例えば、みずほ銀行のシステム構築のために35万人月の巨大なマンパワーが投入されたことは記憶に新しい。いったいどんなマジックがあったのか。 その「本当のところ」を知りたい。そこでカンボジアのデジタル通貨「Bakong」(バコン)に技術を提供した日本のスタートアップ企業であるソラミツ 宮沢和正社長に話を聞いた。 「最初は詐欺を疑った」 カンボジア国立銀行から、突然のメール ソラミツは2016年2月に設立された。今では複数の国にまたがるグローバル企業グループに成長している。同社の事業の中核となるプロダクトは、ブロックチェーン技術「Hyperledger Iroha」(ハイパーレッジャーいろは、以下Iroha)である。プライベートブロックチェーン、
性行為後に男を食べて妊娠するSF小説『ピュア』とその翻訳版が「1点もの」NFTに 狙いは?(1/3 ページ) SF小説『ピュア』(作・小野美由紀)と、その2種類の英訳版が、それぞれ「一品もの」のNFT(ノン・ファンジブルトークン)としてオークションに出品された。記事執筆現在、大手NFTマーケットプレースである「OpenSea.io」に出品中である。誰でも仮想通貨「イーサリアム」で入札可能だ。 NFTはデジタルアートの新たな形態として注目が高まっているが、その可能性はまだ探求され尽くしていない。今回の試みの意義をビジネス的な観点から挙げると、(1) 作家だけでなく翻訳家のための新たな報酬モデルを開拓すること、(2) 日本SFの新たな世界展開ルートとなること、(3)契約とNFTの合わせ技で新たなビジネスモデルを実装することだ。以下、それぞれ説明していく。 男女の権力関係が逆転した衝撃的な未来像
少し開発にかかわったことがあるものとして、SDGsに関して思うところを述べます。 まずはSDGsが制定されるまでの歴史から。 アジア金融危機、LTCM破綻、ロシア金融危機などいわゆる国際金融資本による危機が続発していた1990年代後半のことです。IMFや世界銀行は苦境に陥った国と人々を支援しようとしたのですが、型にはまったアドバイスは役に立たないどころか状況を悪化させてしまうこともありました。NPOが世界銀行を取り囲んでデモをするなど、世界中で、先進国中心の開発援助と国際金融機関に対する疑いが強まってきた時代です。 そういう時代背景を踏まえて、世界銀行やIMFが上から開発援助の方向を決めるのではなく、NPOや途上国の声をもっと取り入れ、共に追求できる目標を設定しようという考えから生まれたのが、2000年に国連総会で制定されたMDG(ミレニアム開発目標)です。いくつかのテーマがあるのですが、
Room 101より。 Bits of History, Words of Advice 「貴重なものがあるのに、私に喜びを与えてくれるような優雅さがあるのに、なぜ君ら間抜けは劣った言語の乗り物を使うんだ? どうして、そんなに盲目で愚かなんだ?」その議論には絶対に勝てないし、挑戦しない方がいい。 - アラン・パリス, 1978 1970年代後半、Xerox Parcの研究者たちは現代のコンピューティングを発明しました。もちろん、他の場所にもありましたが、Parcは非常に不釣り合いな(不相応な)貢献をしました。 その大部分は、Smalltalkというプログラミング言語をベースとして行われました。40年前、Smalltalkの動的更新とリフレクション機能は、今日の主流言語の中では最も高度なものでした。この言語は、これらの機能を活用して、多くの点で現在、その用語の下で成り済ましている日食、ブラッ
この記事の結論はシンプルだ。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐためのスマートフォンアプリ「接触確認アプリCOCOA」が2020年6月18日に公開されたので、ぜひ読者の皆さんのスマホに入れてほしい。もちろん、筆者も導入して使っている。以上が結論である。 なぜアプリを入れてほしいのか。それは(1)大勢が使うことでアプリの有用性が増し、(2) 個人のプライバシー侵害などのリスクは考えられる限りで最小限であり、(3)このやり方がうまくいかない場合、個人のプライバシーを侵害する政策が打ち出される懸念があるからだ。なお、読者の皆さんが気にするであろう問題点や懸念については、記事の後半部分で説明する。 iPhoneを使っている人は、こちらのリンクからダウンロードできる。iOS13.5以降が必要だが、iPhone 6s以降の機種であればOSアップデートが可能なはずだ。 Androidスマートフォンを
「顔認識技術を禁止せよ」 黒人差別を受けハイテク大手の対応は?:星暁雄「21世紀のイノベーションのジレンマ」(1/3 ページ) 「顔認識技術は有害だ」「顔認識技術の利用を禁止せよ」──このような声が米国で高まっている。巨大テクノロジー企業の米IBM、Amazon、Microsoftは相次ぎ警察など法執行機関への顔認識技術の提供を中止すると発表した。 「顔認識技術は有害」との表現に抵抗を感じる読者もいるかもしれない。「技術それ自体は善でも悪でもない」と考えるのが従来の常識だったからだ。だが時代は変わり、情報技術は大規模適用されて社会に影響を及ぼしている。いまや技術と倫理・人権の距離は非常に近い。機械学習に基づく顔認識技術には人種差別、性差別が組み込まれており、使い方によっては社会から排除されがちな人々をより脆弱(ぜいじゃく)な立場に追いやる危険性が指摘されている。 引き金を引いたのは、202
ブロックチェーン技術を使った新しいカテゴリーの「お金」であるデジタル通貨への期待が世界中で高まっている。例えば、ビジネスの現場で事務処理を大幅に軽減するなどのメリットがある。ただし日本では法規制が技術に追い付かず、デジタル通貨をビジネスに活用する見通しが立たない状況が続いていた。 最近、デジタル通貨をめぐり注目される動きがあった。2020年6月から、3メガバンク(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行)、電子マネー「Suica」を発行するJR東日本などが集まり、デジタル通貨の「勉強会」を始めるというものだ。オブザーバーとして金融庁、財務省、総務省、経済産業省、日本銀行が参加する。座長は前・日本銀行決済機構局長で、現在はフューチャー取締役の山岡浩巳氏が務める。事務局を務めるのは暗号資産交換所を運営するディーカレットである(発表記事参照)。 こうした顔ぶれに影響されてのことか、「3メガバンク
木村花さん事件とトランプ対Twitterと「遅いSNS」:星暁雄「21世紀のイノベーションのジレンマ」(1/4 ページ) 今回のコラムでは、大筋で次のような話をしていきたい。(1) 世界の国々はSNS(ソーシャルネットワーキング)規制で悩んでいる。(2) SNS規制には副作用があり、複数の視点から考える必要がある。(3) 英国の提言の中で「SNSで議論を遅くする仕組みを作れ」という意表を突く指摘がある。複雑だが、重要な話だ。 日本でも、SNS規制を巡り、大きな動きが起きている。きっかけは、5月23日、Netflixとフジテレビの人気番組「テラスハウス」に出演中だったプロレスラー木村花さんが、22歳の若さで亡くなったことだ。死因は非公表だが、番組出演に関してネットで誹謗(ひぼう)中傷を受けていたことを苦にしていたといわれている。胸が痛む事件だ。気になるのは、日本の政治家たちがこの事件に即座に
Facebookが大々的に発表して話題となった暗号通貨Libraは、2020年4月に大きなピボット(方針転換)を行った。「暗号通貨」(cryptocurrency)の看板を下ろし、「決済システム」(payment system)となったのである。 Libraは、今までに各国の金融当局から厳しい批判を受け続けてきた。今回のピボットで、それらの批判の多くに回答した形だ。今後、Facebookから引き継いだ技術力、資本力、効率を発揮できれば、国際的な金融システムの中でLibraが競争力ある地位を占める可能性は十分にあるだろう。 金融システムのルールを守る 米国のテックジャイアント(巨大IT企業)の一角であるFacebookが、Libraの構想を発表したのは19年6月のことだ。当初の資料(ホワイトペーパー)には、暗号通貨とブロックチェーンのテクノロジーとカルチャーを引き継ぎ、複数通貨バスケットに連
Apple-Google方式か国に集約か 新型コロナ感染をスマホで追跡:星暁雄「21世紀のイノベーションのジレンマ」(1/2 ページ) 新型コロナウイルス対策の強力な新ツールとして、期待されているスマートフォンによる接触追跡の方式をめぐり、欧州で激しい議論が起きた。大きな対立軸は、「AppleとGoogleが共同開発する方式を使い、情報の集中管理を排除するか、独自方式で情報を集約するか」だ。 背後には、情報を集約して新型コロナ対策に役立てたい各国政府の思惑と、大規模監視を阻止する考え方の対立がある。日本がどちらの方式を採用するのか、まだ正式には発表されていない。 この接触追跡とはどのようなものなのか。実は、日本で行われてきた「クラスター対策」と呼ぶ取り組みと似ている部分がある。クラスター対策は、新型コロナウイルスに感染した人への聞き取り調査により、濃厚接触した人々のつながりを追跡する。一方
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