読書離れが言われて久しく、出版不況も続き、全国で書店数ゼロの自治体が増えている――。本を取り巻く環境は厳しさを増しているのに、全国の図書館数は増えている。4月30日の「図書館記念日」に考えた。なぜなのだろう? 3割近くの自治体に書店なし 図書館記念日は1950年のこの日、図書館法が公布されたのにちなみ71年に制定された。 文化庁の「国語に関する世論調査」によれば「1カ月に1冊も本を読まない」と回答した16歳以上の割合は、2018年度に47・3%だったが、23年度は62・6%に増加した。

図書館といえば、一般の人にとっては本を借りる場所という存在だろう。しかし、研究者にとっては図書館そのものが学問になるという。一体どのようなことを研究しているのだろうか。『図書館を学問する:なぜ図書館の本棚はいっぱいにならないのか』の著者、同志社大学の佐藤翔先生に、図書館情報学という学問のおもしろさや図書館の役割、未来などについて伺った。 図書館情報学の3つの起源・役割とは佐藤先生は、大学生の頃から「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」というブログを開設し、図書館に関する話題などを取り上げて記事を書いてきた。その後、同じタイトルで専門誌でも連載。そして、それらからいくつかの記事を選んでまとめ、2024年12月に『図書館を学問する:なぜ図書館の本棚はいっぱいにならないのか』を出版した。 佐藤先生の著書『図書館を学問する:なぜ図書館の本棚はいっぱいにならないのか』(青弓社) テーマは「図書館の本
この記事の3つのポイント 国立国会図書館のオンラインサービスの充実がすごい 新自由主義に侵された図書館のダメっぷりもすさまじい 「知りたいことが調べられる」が図書館の機能かつ使命 国会図書館という名称から、「国会議員向けの図書館で、自分には無関係」と思っている人はいないだろうか。“国会”図書館という名称は、そのルーツの一つが、1890年に開設された帝国議会の図書館があることに由来する。もう一つのルーツは大日本帝国時代の文部省・帝国図書館だ。 この2つが敗戦後、1948年の国立国会図書館法制定と共に統合されて、設立されたのが、現在の国立国会図書館である。その役割は、国立国会図書館法第2条に「国立国会図書館は、図書及びその他の図書館資料を蒐集し、国会議員の職務の遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門に対し、更に日本国民に対し、この法律に規定する図書館奉仕を提供することを目的とする。」とある
temiは、施設内を自律走行しながら自動音声認識や自然言語処理などの技術によりユーザーとの音声対話が可能なパーソナルAIアシスタントロボット。これまでに小売・接客、医療・福祉、ビジネス、教育・研究、イベント・地域活動などでの利用実績がある。 今回の実証実験では、temiの自律移動や対話能力を活用し、利用者とスタッフのコミュニケーションを支援。図書館内における告知(おはなし会・イベントなどのアナウンス)、巡回(事前登録による館内巡回、閉館案内・声掛け)、案内(事前登録されたエリアへの誘導)に活用する。運営業務の効率化によって図書館スタッフがより創造的な業務に取り組む時間を拡大することで、利用者の満足度向上を図る。また、ロボット技術の導入により図書館が人々の新しい学びと体験を共有する中心的役割を果たすことを期待しているという。 実証実験はTRCが実証主体となり、導入に掛かるコストも同社が負担し
コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕
今週あなたは仕事で何回「調べ物」をしましたか? 仕事においても、日常生活においても、私たちは常に何かを調べています。 そして、近年は「探す方法」も増えて、さまざまな情報にアクセスしやすくなりました。しかしその反面、得られる情報量が多く、「正しい情報かどうか」の判断は難しくなったと言えます。調べ物をしながら「これじゃない……」を繰り返した経験は誰しもあるはず。 「国会図書館にはのべ4700万点の本やその他の資料があるけれど、調べたい内容がその中に書いていないこともよくあるし、本の内容が直接検索できるようになっているのは、2024年9月時点だと体感で3割くらいなんです」。 そう語るのは、国立国会図書館のレファレンス業務に15年以上携わり、著書『調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』がSNSなどで話題を集める小林昌樹さん。 レファレンス業務とは、図書館の利用者が必要な情報を得るため
全ての国民があらゆる機会と場所において書籍に触れ、読書を行うことができるよう、図書館及び文化拠点としての書店等の振興が図られることや、図書館等が地域の書店、出版社等との連携により地域に根差した子供のための読書環境醸成に取り組むことなどが期待されています。 これを踏まえ、文部科学省では、図書館と書店等関係者の連携による取組を行う際の参考としていただくため、全国各地で図書館と書店等関係者(著者、出版社)の連携の下に進められている特徴的な取組を事例集としてとりまとめ、広く紹介することとしました。 本事例集は、都道府県から、「図書館と書店等が連携して行う特色のある読書活動・行事」、「図書館と書店等とが連携した経営・運営」、「環境整備」、「その他」の区分に基づいて推薦いただいた事例をとりまとめております。 事例集の作成に当たり、御協力いただいた関係者の皆様に深く感謝申し上げるとともに、図書館と書店等
2024年4月17日、雑誌の図書館「COVER(カバー)」が、東京都原宿の新商業施設である東急プラザ原宿「ハラカド」内にオープンしました。 同館は、日本出版販売株式会社(日販)の子会社である株式会社ひらくがプロデュースしており、出版社からの提供及び一般からの寄贈による約3,000冊以上の雑誌を収蔵しています。入場無料で誰でも利用可能です。 来館者のクリエイティビティを刺激する街の雑誌図書館として、原宿の新しい“たまり場”を目指すとしています。 ひらくがプロデュースする雑誌の図書館「COVER」が東急プラザ原宿「ハラカド」に4月17日オープン(PR Times, 2024/4/17) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000363.000023227.html 雑誌の図書館「COVER」 https://coverharakado.jp/ COVER(
みなさん、借りてきた物が「壊れている」「汚れている」といった経験、ありませんか?そのような被害に遭い、貸し出すことができなくなった「本」などの展示会が、高松市で開かれています。【画像①】のように乱雑…
多摩市立中央図書館(東京都多摩市)の利用者が増えています。2023年7月に開館した同図書館は、最寄り駅の多摩センター駅から徒歩7分ほど、多摩中央公園の北西端に位置します。建物は地下2階・地上2階建て。斜面の敷地に半ば埋まって立っています。 前身である多摩市立図書館本館は、公園の南側にありました。統廃合で使わなくなった市立中学校の校舎を改修し、08年から暫定的に利用していました。 旧本館は年配の利用者が多い傾向にありましたが、新しくなった中央図書館では、若い世代の利用が大幅に伸びています。本の貸し出し冊数は、旧本館時代の22年と比べると、20代以下が3~4倍、30~40代が2~2.5倍に増えました。若い世代の利用が急増した理由は何でしょうか。3択です。
“最寄駅がない―”静岡県牧之原市にある図書交流館「いこっと」が話題です。人口減に悩まされる街の小さな図書館が、複合施設内にテナントとして移転し、拡大オープンしたのは2021年のこと。2年後には累計来館者数が25万人を突破しました。市内はもとより、市外や県外などの遠方から足を延ばす人がいるほどです。人口減少エリアの図書館がなぜこれほどにぎわいを創出し、街の中心地に変化をもたらしたのでしょうか。 買い物客と入り混じる、パブリックな図書交流空間 静岡県牧之原市は、県・中央部の沿岸沿いにある人口約43,000人の小さな街。2005年に、旧・相良町と旧・榛原町の2つの町が合併して誕生した市の中心部には、大型複合施設「ミルキーウェイショッピングタウン」があります。核店舗として地域資本のスーパーマーケットが入居するほか、ドラッグストアやカフェ、飲食店などが集う、いわば街の台所です。
国家の「知」を支えるべく国立の図書館、帝国図書館が作られたのは明治時代。誕生までの道のりはもとより、以降も困難な歩みを続けることになりました。その軌跡を周到に描き出した『帝国図書館―近代日本の「知」の物語』の著者・長尾宗典さんにお話をうかがっています。 (2024年3月14日に国立国会図書館で長尾さんの講演とパネルディスカッションが開催。詳細はイベント告知ページでご確認ください) ――長尾さんの初の単著は『〈憧憬〉の明治精神史』で、高山樗牛や姉崎嘲風らを扱ったものです。その次に書かれたのが『帝国図書館―近代日本の「知」の物語』ですから、かなり異なるテーマのように思われます。ご執筆の経緯などをお教えください。 長尾:大学に移る前、私は11年ほど、国立国会図書館(以下NDL。)に司書として勤務していました。日本近代史を専攻していた大学院生の頃は高山樗牛や姉崎嘲風のことばかりやってきたのですが、
読書推進の議論は「健康診断を受けずに健康増進策を語る」ようなかたちになりがちだ。 本当は内臓脂肪を減らすための食事制限にまず取り組むべきなのに、高脂血症であるという自覚すらなく「筋トレをするべきだ」と言っていたりするようなものだ。 まず重要なのは現状の把握である。 ■なぜ読書を推進したいのか?そもそもなぜ読書推進をしたいのか? その目的によって ・達成したい状態 ・どこが課題と認識するか ・なぜそれが問題だと思うのか ・どんな打ち手が良いのか が変わってくる。 自らのゴール設定が重要であり、また、他の立場の人との相互理解も重要になる。 たとえば、非常に戯画化・単純化していえば、本を読む量が増えると何が嬉しいのかに関して 教師や保護者は「受験科目の成績UPにつながるから」 司書や貸出率/冊数が「自分たちの評価指標だから」 出版業界は「売上UPにつながるから」 文科省は「PISA(OECD加盟
目次 参加メモの前提 はじめに 東京大学総合図書館見学 | 9:30-11:00 | 90分 電子コンテンツ導入・提供の現状と課題 / 井口 幸(法政大学図書館事務部多摩事務課長) | 11:15-12:30 | 75分(うち質疑15分) 学術コミュニケーションの動向 / 岩井 雅史(信州大学附属図書館副課長/情報システム・学術資料(雑誌)グループリーダー) | 13:30-14:45 | 75分(うち質疑15分) グループ討議 | 14:55-17:30 | 155分 関連記事 関連リンク 参加メモの前提 全体のバランスや文脈は考慮せず、自分が興味・関心を持ったところを中心にまとめています。 敬称略。 はじめに 机と椅子を1日目終了後に講義形式に並べ替え、受講者番号順に座るようになりました。 9時過ぎから研修が始まるまでの時間で、ある程度人数が集まってから、この研修のメーリングリスト(G
地縁型のつながりが薄れ、都会では近隣に暮らす人たちと接点をもつのが難しくなっています。そこで、地域密着のゆるやかなコミュニティの入口として、全国に増えているのが「まちライブラリー」です。本を介して気軽に人と関わることができるコミュニティ型の図書館。自宅やお店の一角に本を置いて、誰もが気軽に始められるというので人気があり、今や登録数は1000件以上にのぼるのだとか。 そんなまちライブラリーのひとつが、新たに6月末、東京都西東京市に誕生しました。資本力のある大企業がバックアップすることで、これまでとはまた違う、市民にとって嬉しい空間が生まれている。そんな先行事例を見てきました。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が始めた「まちライブラリー@MUFG PARK」です。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く