屈強な男たちに両手両足を抱えられた人物が、為す術もなくワゴン車に押し込まれていく――。ベラルーシの情報機関KGBが、スパイと見なした日本人男性を連行する瞬間だった。 連行時の姿(ベラルーシの国営放送より) 9月5日、ベラルーシの国営テレビが「東京から来た侍の失敗」と題する特別番組を放送した。手錠をかけられて出演している“侍”が、50代前半の中西雅敏さんだ。 犯行を“自供”する中西さん 国際部記者が解説する。 「ベラルーシ側は、中西さんがウクライナ国境で9000枚以上の写真撮影を行うなど軍事情報を収集し、日本の情報機関に送っていたとしている。番組の中で中西さんは『犯罪だと理解している』などと容疑を認めているが、自白を強要されている感が拭えず、“でっち上げ”との見方が強い」