佐賀県唐津市の市立中学校で、同級生への嫌がらせに関わったと決めつけられ、教諭から長時間、事情を聞かれるなどして精神疾患になったとして、同市の女性が市に対し、約6240万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、佐賀地裁で言い渡された。 波多江真史裁判長は「教諭の行為は社会通念上、生徒に対して認められる範囲を逸脱している」と指摘。教諭の行為と発症の因果関係を認め、慰謝料など約1770万円の支払いを市に命じた。 判決によると、この中学校では2007年、3年の女子生徒の上履きに画びょうが入れられるなどの嫌がらせが発覚。学年主任の男性教諭らは原告女性を含む生徒数人から2日間で計約5時間半、事情を聞いた。 女性は関与を否定したが、「警察を呼んで指紋を採る」「認めんと続けるぞ」と執拗(しつよう)に迫られた。その直後から不登校となり、強い衝撃が原因で記憶障害などを起こす解離性障害の診断を受けた。 波多江裁