P「お、やっとその気になったか。良いぞ」 春香「じゃあ……いきますよっ、そーれ!」 バキィッ P「ん」 P「……もういいのか?」 春香「はい、ありがとうございました。えへへ、なんかこう、スカッとしますね!」 春香「あの……本当に痛くないんですよね?」 P「ああ、痛くも痒くもないから安心しろ。なんたって俺は……」 P「無敵のプロデューサーだからな」 時は数日前に遡る――――――――― P氏は担当アイドルの一人、菊地真をライブの舞台へと送り出そうとしていた。 真「じゃ、いつものアレ、いきますよっ!」 P「ああ」 右拳を前に突き出す真。 いつものアレとは、真がいつも求めてきていることだろうか。それともいつも自分がやっていることだろうか。 後者であると判断したP氏は、そっとポケットから手を出した。 その右手は真の拳とすれ違い、その先にある小さな『夢』を追うように伸びていった。 もみっ 真「へっ……