南相馬と相馬両市民を対象に、東京電力福島第1原発事故前後で慢性疾患の割合を比較し、糖尿病と高脂血症の発症が事故前より高くなったとの研究を日英の研究者がまとめた。避難した人の糖尿病の発症割合は事故前の約1.6倍となった。研究チームは「人間関係や仕事など生活環境の変化が影響している可能性がある」と分析している。 英国インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院の野村周平氏らの研究チームが5日、英医学誌「BMJオープン」のオンライン版に発表した。 原発事故前後の2008~14年に特定健康診断(対象は40~74歳)を受診した2市の6406人のデータを分析した。事故当時避難区域に住み、現在も避難している人のグループと、避難していない人(事故後一時的に避難した人を含む)の2グループに分けた。健診の採血結果や投薬を受けているかどうかで疾患の有無を調べた。 糖尿病は避難者で13年以降、約1.6倍に増え、