【北京=佐伯聡士】中国産の粉ミルクの売れ行きがニュージーランドなど外国産に席巻され、低迷している。 有害物質メラミン入りの粉ミルクを飲んだ乳幼児約30万人に健康被害が出た2008年の事件が尾をひいているためだ。問題の粉ミルクがいまだに市場に流通するなど、消費者の国産ブランドへの不信感に歯止めがかからない。中国紙「国際先駆導報」などによると、同事件が起きるまで、国産の市場シェアは約60%だったが、昨年は約50%にまで低下し、今年は外国産が過半数を占める見込みだという。 インターネット上では、「外国産は高くて金がかかるが、国産なら命がかかる」との言葉が流行するほどだ。国外や香港に旅行に出かけた人々が外国産粉ミルクを買いだめして来るケースも多い。特に、富裕層が好む高級粉ミルクでは、外国産が90%を占めているという。