【カイロ=酒井圭吾】エジプトで16日に行われたモルシ前大統領派の抗議デモは、銃撃戦や衝突を誘発し、首都カイロでも市街戦のような光景が広がった。 治安部隊とモルシ支持者、それにモルシ派に憎悪を募らせる市民が対立し合い、誰が、どこから発砲しているのかすらわからない無秩序状態に陥っている。 在留邦人の多くが住むカイロの高級住宅街ザマーレック地区。16日午後5時(日本時間17日午前0時)頃、ナイル川をまたぐ橋の上で、治安部隊とモルシ派約500人がにらみ合っていた。 「軍は消えろ!」。10代から50代までの男たちからなるデモ隊は、投石用の石を握りしめ、怒声を張り上げた。鉄パイプを持つ男の姿もみられる。 「パン、パン、パン」。突然、数十発の乾いた銃声が四方から聞こえた。路面で跳弾した音も響く。視界の隅で、走っていた男がヘッドスライディングするように崩れ落ちた。首の後ろを撃たれていた。デモ隊の一