まだ前の話をお読みいただいていない方、この話には前があります。まあ、もう午前0時ですから、誰も読んでなどいないはずですがね。 部屋の天井の蛍光灯は、パチ、パチパチパチ、パチ、パチパチ、パ、チ・・・、という不規則な音を奏でながら、一本が三十秒か一分かほどの間隔で、着実に消えてゆく。正直に言うと、その時間的な感覚は恐怖に歪められてしまって、まったく定かではない。 さらには、何本か目の蛍光灯が消えた段階で、それが何かの規則に従っているんじゃないかということに、ぼくはうっすら気が付く。どんな規則なのかはまったくわからないが、すべての蛍光灯が真似っこ遊びでもし始めているように、同じリズムと同じタイミングで消えてゆく。そこには何らかの意志が介在していると感じざるを得なくて、身にたまる恐怖のゲージが否応無しに上がってゆく。 マイクを右手に握りしめた小林くんが、部屋のソファーに斜めに仰け反ったまま、この世