全体的な意義については、こちらに書きました。今回はより細かく具体的な内容について検証していきます。 これまでの漁業制度のメリットとデメリット是々非々の議論をするための前提として、まずは、漁業の現状について説明をします。これまでの日本の漁業制度では、日本全国に数多く存在する漁協に、前浜の漁場の自治権(共同漁業権)を与えて、その漁場の中でのルールは漁業者の話し合いで決めることになっています。このような漁獲規制の方法はTerritorial Use Right for Fisheriesと呼ばれ、多くの国に導入されています。 日本での自主管理の代表的な成功事例としては、由比のサクラエビを挙げることができます。サクラエビの自主管理は1970年に始まりました。漁業者による資源の奪い合いを防ぐために、水揚げ金額を全員で均等に配分するプール制度を導入して、安定した利益を上げています。今年は、小型で未成熟