コースをデザインし、授業を行うスキルを高めることは、専門分野での研究能力を磨くことと同様に、教師の「商品価値」を高めることにつながります。そして、自分の教育能力を磨くことは、特別の才能や努力を必要とするものではありません。われわれは、毎日授業を行っているのですから、授業・コース改善のためのデータは、その気になりさえすればいくらでも手に入るわけです。あとは、そのデータをうまく収集し、分析し、考察を加え、新しいやり方を考え、それを試してみる……。あれま、これはふだんわれわれが研究でやっていることじゃないですか。というわけで、ここでは、教育スキルの向上のために考慮すべき項目を整理しておきましょう。あとは、一人ひとりがそれを実行するだけです。 9.1 毎回の授業をチェックしよう 自分の授業をチェックすることが次回の改善に大いに役立つということは、一回一回の授業についても、また一学期間を通じて行われ