9月は例年、台風のシーズン。気象庁の発表によると、2017年までの10年間の平均で、日本付近の台風発生数が最も多いのは9月だった。通常9月下旬から東大のAセメスターも始まるため、登下校の際、交通機関の乱れに苦労した経験がある学生も多いだろう。 だが、それらの台風や、冬の大雪などで、東大の講義が休講となることはまれだ。台風当日の朝には「こんな日でも講義があるのか」と悲鳴に近い声がSNS上に書きこまれ「東大は休講条件が厳しすぎる」という声もしばしば耳にする。 では、本当に東大の休講条件は厳しすぎるのだろうか。制度の背景にある事情を取材した。 (取材・福岡龍一郎、曽木悠美) 東京大空襲翌日も、いつもと変わらず講義 これまでの歴史を振り返ると、休講にまつわる東大のエピソードは事欠かない。ノーベル賞を獲得した物理学者・江崎玲於奈氏は東大130周年を記念した講演で、戦時中の東大での学生時代を以下のよう