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  • 「SIMI LABへの注目が薄れて自信がなくなった」ラッパーOMSBの“孤独”とヒップホップ的“祈り”

    (写真/西村満、以下同) “普通”とは何か? “大衆”とは何か? そんな一筋縄ではいかない普遍的な問いにさえ詩的に、軽妙に、彩り鮮やかなサウンドとともに向き合おうとする、素晴らしい国内のヒップホップ作品がある。ラッパー/ビートメイカー、OMSBの7年半ぶりのサード・アルバム『ALONE』だ。 OMSBは最初、約10年前に神奈川県相模原市を拠点とするSIMI LABというグループの中心人物として脚光を浴びた。そして、ソロ・アルバムも2枚発表、精力的に活動を展開したものの、その後の歩みは決して順風満帆ではなかった。前後編にわたるこのインタビューでは、そうした深い苦悩の経験とそれを乗り越えようとした魂の痕跡がいかに新作に刻まれたかが語られる。 『ALONE』で描かれるのはOMSBの個人の物語だが、働き、年齢を重ね、人と出会ったり別れたり、愛したり愛されたり、もしくは結婚したりしなかったりする中で

    「SIMI LABへの注目が薄れて自信がなくなった」ラッパーOMSBの“孤独”とヒップホップ的“祈り”
  • 「SIMI LABで『常識って何?』とか言ったけど……」“大衆”になったラッパーOMSBの苦悩と成長

    (写真/西村満、以下同) “普通”とは何か? “大衆”とは何か? そんな一筋縄ではいかない普遍的な問いにさえ詩的に、軽妙に、彩り鮮やかなサウンドとともに向き合おうとする、素晴らしい国内のヒップホップ作品がある。ラッパー/ビートメイカー、OMSBの7年半ぶりのサード・アルバム『ALONE』だ。 OMSBは最初、約10年前に神奈川県相模原市を拠点とするSIMI LABというグループの中心人物として脚光を浴びた。そして、ソロ・アルバムも2枚発表、精力的に活動を展開したものの、その後の歩みは決して順風満帆ではなかった。このインタビューでは、そうした深い苦悩の経験とそれを乗り越えようとした魂の痕跡がいかに新作に刻まれたかが語られる。 『ALONE』で描かれるのはOMSBの個人の物語だが、働き、年齢を重ね、人と出会ったり別れたり、愛したり愛されたり、もしくは結婚したりしなかったりする中で多くの人々が経

    「SIMI LABで『常識って何?』とか言ったけど……」“大衆”になったラッパーOMSBの苦悩と成長
  • [最終回]【追悼】高須基仁さん「17年間、連載していただき、ありがとうございました」

  • 【磯部涼/川崎】ヒップホップが止めた川崎南北戦争

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 全身をタトゥーで埋め尽くしたラッパーのK-YO。 川崎は2つの顔を持っている。そして、それらの表情は変わりつつある。シンガーソングライターの小沢健二が自身の根底となっている空虚さを“川崎ノーザン・ソウル”と呼んだ、その背景としてのニュータウンの北部。ラッパーのA-THUGが、治安が悪く、だからこそラップ・ミュージックのメッカと化した、ニューヨークのサウス・ブロンクスやシカゴのサウスサイドに重ね合わせて“サウスサイド川崎”と呼ぶ、工場地帯の南部。一方、最近では、映画『シン・ゴジラ』において、南部・武蔵小杉のタワーマンションが建ち並ぶ多摩川沿いで戦い

    【磯部涼/川崎】ヒップホップが止めた川崎南北戦争
  • 多文化都市・川崎の、路上の日常と闘いと祭り

    有数の工業都市・川崎はさまざまな顔を持っている。ギラつく繁華街、多文化コミュニティ、ラップ・シーン――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 昨年11月に川崎区で行われたヘイト・デモに抗議するカウンターの人々。 冬の柔らかい日差しが心地よい日曜の午後、川崎駅から1キロほど離れた静かな通りに、不穏な空気が漂い始めていた。初老の女性が自転車を止めてけげんな顔で振り返り、ラーメン屋の主人が何事かとのれんをくぐって外に出てくる。彼らの視線の先に目をやると、まるで雷雲が近づくかのように、大勢の集団がノイズを立ててこちらに向かってくるのが見えた。やがて、あたり一帯は混沌にのみ込まれる。 「川崎のみなさん! あなたたちの暮らしを、外国人の犯罪者が狙っています!」「差別はやめろ!」「そんな奴らは、この

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  • 川崎の不良が生きる“地元”という監獄

    有数の工業都市・川崎に渦巻くセックス、ドラッグ、ラップ・ミュージック――。俊鋭の音楽ライター・磯部涼が、その地の知られざる風景をレポートし、ひいては現代ニッポンのダークサイドとその中の光を描出するルポルタージュ。 川崎をレペゼンするラップ・グループ、BAD HOPのAKDOWの体に彫られたタトゥー。 川崎は2つの顔を持っている。その名前を聞いたとき、多くの人はベッドタウンと重工業地帯という対照的なイメージを連想するだろう。あるいは、平穏だが退屈な郊外と、荒廃しているが刺激的な繁華街というイメージを。 そして、そういった2つの側面は、それぞれ、川崎市の”北部”と”南部”が担っているといえる。今、北部/南部と書いたが、実際には、同市は東京2区5市と横浜市に挟まれた、北西/南東方向に細長い形をしている。しかし、住民の中には北部と南部という区分を用いる者が多いのだ。例えば、68年に生まれ、多摩

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  • 庵野秀明はジブリの後継者になれない?写真資料は数千枚以上!押井守監督的アニメ写真論

    ――政府も後押しするほど、多彩な表現でさまざまな作品が作られ続けている日のアニメ。その中で、現実世界に近いくらい写実的なアニメーションというジャンルを切り開いたのは、押井守といえるだろう。この度、実写映画を手がけた押井氏は、写真というメディアをどうとらえ、使ってきたのか? アニメーションと写真の関係性について聞いた。 押井守氏。 好きな写真家について尋ねると、押井守はアンリ・カルティエ=ブレッソン(2004年に没したフランスの写真家)の名を挙げた。禁欲的にデザインされた画面の中に、一瞬の時間が切り取られたその絵は、彼が生み出す映画にも通じる。押井氏はアニメーションの世界にレイアウトという概念を持ち込んだ先駆者だ。それまで作画や動画のリズムを優先して生み出されてきたアニメに実写映画のようなレンズを持ち込み、キャラクター主体のアニメから世界観を主体にした新たな表現を獲得した。そんな押井氏と写

    庵野秀明はジブリの後継者になれない?写真資料は数千枚以上!押井守監督的アニメ写真論
  • 精神病・奇形・差別表現は規制アリ!? ホラーのタブーに挑む【伊藤潤二】が語る禁忌描写

    ――ホラーマンガ界を牽引してきたマンガ家・伊藤潤二。恐怖感を煽る描写だけに限らず、物語性や描かれる女性の美しさ、そしてユーモアを取り入れた作風で、数多くの名作を発表してきた。そんな鬼才に聞く、ホラーマンガのタブーと展望。 (梅川良満/写真) 何度殺されても生き返る絶世の美女・富江と、彼女に翻弄される男たちを描いた『富江』、うずまきから派生する呪いに苦しめられる人々の物語で、『富江』同様に映画化された『うずまき』、気球型の首吊り死体というかつてない恐怖のあり方を表現した『首吊り気球』などのヒット作を持つホラーマンガ家・伊藤潤二。その独創的なホラー描写には定評があり、90年代に起こったホラーマンガブームの立役者のひとりでもある。 そんななか、マンガの特集である号において、誌は長らく追い続けてきた伊藤潤二氏のインタビューを敢行。氏にはマンガ家を目指したきっかけまで振り返ってもらい、マンガ家と

    精神病・奇形・差別表現は規制アリ!? ホラーのタブーに挑む【伊藤潤二】が語る禁忌描写
  • 【山田太一】「人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したってドラマはできません」

    ――戦後のテレビドラマ黎明期から幾多の名作を生み出してきた脚家・山田太一。今は連続ドラマこそ書かないが、特別ドラマをたびたび手がけ、そのたびに幅広い世代のファンたちを魅了し続けている。そんな彼は、かねてから「テレビドラマのあり方」に対して、さまざまな意見を述べてきた。では70代の今、『あまちゃん』や『半沢直樹』のように再びテレビドラマに脚光が当たり始めた現状を、どう見ているのだろうか――? (写真/奥山智昭) ――山田さんは、今話題の『あまちゃん』と『半沢直樹』は、ご覧になっていますか? 山田 半沢さん……は見ていないですね。『あまちゃん』【1】は(宮藤)官九郎さんらしいドラマだと思って楽しく見ています。テレビをよく知っていて、朝のドラマはこういうものが当たるという勘みたいなものが非常に素直に出ていると思います。それは舞台をやっている方が肌で感じるものなのかもしれないね。一方で、(宮藤氏

    【山田太一】「人気のある俳優さんを揃えて視聴率を計算したってドラマはできません」
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