2017年2月15日のブックマーク (1件)

  • 買母の量刑 - 傘をひらいて、空を

    ただいまあ、という。おかえり、と返ってくる。週に一度はあまり残業をせず、夕といってよい時間帯に帰ることにしている。月に何度かは作りたてのごはんを出したいという母と、疲れたら作りたてのごはんをべたいというわたしの思惑が一致して、なんとなし習慣になった。 母は台所に立って天ぷらを揚げている。わたしもいい年だし、母はもちろん老婆だから、そんなにたくさんの油ものはいらない。今日はわかさぎをもらって、だから揚げているのだった。ついでにさつまいもを切り、余った野菜でかき揚げもやって、いくらかを半切りにして冷凍しておく。簡単に麺で済ませるときに冷凍の揚げ物があると楽なのだ。緑もほしいわね、大葉の一枚くらいべられるでしょう。そんなふうに言いながら母は冷蔵庫を探り、天ぷらは結局結構な量になる。 わたしは寝室で着替え、デスクとして使っているカフェテーブルを居間に持ってくる。おかずをたくさん並べるときには

    買母の量刑 - 傘をひらいて、空を