私こそテロリストだった 生粋の平和運動家に見えるマイクさんだが、自身をこう表現してはばからない。 「テロリスト掃討のためにイラクへ派遣された私こそが、現地で暮らす人たちの生活を破壊するテロリストだった」 熱心なキリスト教徒が多いジョージア州の出身。プラスチック製の銃や『GIジョー』の人形、カウボーイ映画に囲まれて育ち、愛国心から高校卒業後の1994年に海兵隊へ。沖縄駐留を経て'03年3月、イラク戦争に出兵した。 「テロリストがいるとの通報を受け踏み込んだ先は一般家庭がほとんど。恐怖のあまり失禁した少女の叫び声が今も耳に焼きついて離れません」 大量破壊兵器はなかった。自由と平和をもたらすため─、その大儀も嘘だった。 「戦闘に入れば敵と味方の区別は困難。両方に死者が出ますし、仲間からの誤射で亡くなる兵士も多い。一般市民も巻き込まれます。そうした危険は自衛隊が派遣されている南スーダンでも同じです