海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)の地球深部探査船「ちきゅう」が2012年に八戸沖の海底下から取り出した地層から、約2千万年前に陸地と一緒に海に沈んだとみられる菌類が採取されたことが29日、同機構への取材で分かった。69の菌類が見つかり、このうち「スエヒロタケ」の一種を培養すると子実体(キノコ)を形成した。人類の誕生以前の菌類であり、現代と比較することで人の活動が地球の生命進化に与えた影響などを知る手掛かりとなる可能性がある。 菌類はアクレモニウムやスエヒロタケ、アオカビなどで、一般にはカビやキノコとして知られる。古代の森林や湿地に生息していた菌類の胞子が海底下で保存され、研究室での培養でよみがえったとみられる。 掘削調査は日本や中国、ドイツなどの研究機関が参加する国際チームが12年7~9月に八戸沖80キロメートルで実施し、海底下約2500メートルまでの古い地層を取り出した。その結果、