70年間、世界的演奏家を輩出し続けてきた異色の音楽教室 東日本大震災による東京電力福島第一原発の事故直後から、Twitterを通じて放射能に関する情報を発信し、人々の不安を和らげてくれた東京大学教授・早野龍五さん。福島県の子どもたちの内部被爆の調査と経過観察を続ける一方、原子物理学の第一線の科学者として、勤務する東京大学やスイスのCERN(欧州原子核研究機構)での研究に忙しく、常に世界を飛び回っている。 2016年8月、早野さんは、音楽教育「スズキ・メソード」で知られる公益社団法人才能教育研究会の第5代会長に就任した。スズキ・メソードは、国内で最も歴史のあるヴァイオリンメーカー「鈴木ヴァイオリン」創業家に生まれた鈴木鎮一(しんいち、1898~1998)が、1946年に長野県松本市で設立した音楽教室である。 スズキ・メソードは、コダイ、ウォルフ、リトミックと並んで世界四大音楽メソッドの一つと