海辺の景色と庭の花を眺めながら食事ができる、イタリア、ポジターノにある貸別荘。(PHOTOGRAPH BY MASSIMO BASSANO, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 国連や米調査会社ギャラップなどがまとめた2025年版の「世界幸福度報告書(World Happiness Report)」によると、誰かと一緒に食事をとること(共食)は、幸福度の指標として、所得や雇用状態に匹敵するほど強力だという。 地中海、ラテンアメリカ、東南アジアといった地域では、料理の内容こそ違えど、「テーブルを囲んで食事を分かち合う」という習慣が文化に深く根付いており、まるで神聖な儀式のように大切にされている。人々は共に食事をし、皿は思いやりを持って手渡され、全員が食べ終わるまで誰ひとり席を立つことはない。 一方、世界では、皆で食卓を囲むことが珍しい行為になりつつある地域もある。昼食にまるま
