お金に殺されるような人生を生きてきた。 僕の無駄遣いのせいで、父親が愛車のクラウンを売却し、自殺未遂を起こしたことがあった。 母親は精神錯乱、僕も罪悪感で首つりを企図した。 金が命の重みを超えてゆく。 血も涙もない時間がそこに存在していた。 多額の仕送り、消費者金融、クレジットカード、ローンなどをむやみやたらに使い、破滅の道を進んだ。 いわゆる、『買い物依存症』である。 家賃光熱費の支払いを拒否して風俗店に通い、食費も半月あればさっぱりなくなり、強制断食あるいはコッペパンのみで飢えをしのぐようになった。 部屋の片付けすらままならなくなり、生ゴミの汁が畳に染みこむ不衛生な空間となり果て、カメラ目線をするドブネズミが毎日出現した。 ぎとぎとの油がこびりついたまま放置された鍋には、コバエやカの死骸がびっしりと浮いていた。 そのため、貧乏メシ定番のパスタやラーメンなんてものは作れなかった。 代わり