パスタの原料に適した小麦の一種、デュラム小麦の日本初の品種「セトデュール」が誕生し、6月中旬に初めて本格的な収穫を迎えた。 国内では、パスタの消費量増加などでデュラム小麦の需要が高まっているが、日本の気候になじまず、栽培が難しいため、ほとんどを輸入に頼っていた。関係者は「普及が進めば純国産パスタができ、食料自給率の向上にもつながる」と期待を寄せている。 兵庫県の加古川、加西の両市に広がる7ヘクタールの麦畑で、大人の腰ほどの高さにまで伸び、薄い茶色に色づいた小麦が次々とコンバインで刈り取られていた。製粉大手の「日本製粉」(東京)と契約する生産者が、この畑で収穫したセトデュールは約30トンに上った。