米国の非営利組織でトラック輸送に関する研究を行なっているATRIは、ゼロ・エミッション・トラックの環境への影響を評価・分析したレポートを公開した。 比較対象はディーゼル車(ICE)、バッテリーEVトラック(BEV)、水素燃料電池トラック(FCEV)の3タイプで、いずれもクラス8に相当する大型車だ。使用過程だけでなく、製造から廃車(リサイクル)までの生涯にわたるCO2排出量を分析した。 大型のBEVトラックでは、バッテリーの製造や使用する電気の発電方法などにより、生涯のCO2排出量はICE比で30%の低減にとどまった。 米国の電力網が化石燃料へ依存していることもあるが、バッテリー重量による積載量とのトレードオフを考えると、単純な電動化では排出量の削減幅は小さい。最もCO2排出量が少なかったFCEVには、車両価格や市販車の少なさなどの課題が残る。 トラックのCO2削減は、乗用車とは相応に状況が