【南京(中国江蘇省)林哲平】旧日本軍により多くの市民が殺害された1937年の「南京大虐殺」から79年となった13日、南京大虐殺記念館で追悼式典が行われた。式典では厳しい日本批判を避け、中国側の対日関係への一定の配慮をうかがわせる内容となった。安倍晋三首相による米ハワイ・真珠湾訪問決定を受け、市民からは南京訪問を求める声が聞かれた。 国家級行事に格上げして3回目となる今年は約8000人が参列。共産党中央からは昨年と同じクラスの趙楽際・中央組織部長(党政治局員)が参加した。趙部長は「式典は恨みを続けるためではない。忘れてはならない記憶、否定できない真実を守るためだ」と述べた。 市内ではサイレンに合わせて市民が黙とうした。タクシー運転手の石成標さん(61)は「安倍首相はまず南京に来るべきだ。我々は寛容の心で受け入れる」と話した。