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『こころ (新潮文庫)』(夏目漱石)の感想(2417レビュー) - ブクログ
長い解説は読まずに書く。 作者の意図を理解出来ているかどうかは分からないが、これは人間の原罪を描い... 長い解説は読まずに書く。 作者の意図を理解出来ているかどうかは分からないが、これは人間の原罪を描いた作品だな。 Kという内向的な精神的に鋭く脆い友人を助けるため、自分の下宿に引き込んだ“先生”。そのために兼ねてから自分が思いを寄せていた下宿のお嬢さんを巡ってKと三角関係になり、“先生”の気持ちに気付かず、お嬢さんに対する思いを“先生”に打ち明けたK。“先生”は友人の告白を聞いて動揺し、あろうことか「精神的に向上心の無いものは馬鹿だ」とKを一番打ちのめす言葉で罵倒しておきながら、自分はそのすきに“お嬢さん”の母親と話を付けて、お嬢さんとの婚約に取り付けてしまった。 酷いといえば酷い。けれど恋愛ってそんなものだ。 そしてその後のまさかのKの自殺。Kの自殺は単なる失恋とか、“先生”への復讐とかそんなものではないだろう。もっと精神的に深いところで、理想と現実、理性と愛の矛盾みたいなところに失望した
2012/11/10 リンク