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悲しみを聴く石 - 記憶の彼方へ
asin:456009005X 『灰と土』(asin:4900997080)につづいて、詩人関口涼子さんの邦訳でアフガニスタン出... asin:456009005X 『灰と土』(asin:4900997080)につづいて、詩人関口涼子さんの邦訳でアフガニスタン出身の亡命作家アティーク・ラヒーミーの『悲しみを聴く石』を読んだ。静謐な佇まいの本だ。昨年(2009年10月)、白水社の「エクス・リブリス(Ex Libris)」叢書の一冊として刊行された。最近、「アフガニスタン」筋と「女の物語」筋が交差する辺りで巡り合った。邦題の「悲しみを聴く石」は「忍耐の石」を意味する原題「サンゲ・サブール(Syngué Sabour)」に由来する。 原題の「サンゲ・サブール(Syngué Sabour)」とは、ペルシア語で「忍耐の石」。その魔法の石に向かって、人に言えない不幸や苦しみを打ち明けると、石はそれをじっと聞き、飲み込み、ある日、粉々に打ち砕ける。その瞬間、人は苦しみから解放される、というペルシアの神話からとられている。(本書カバー裏