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『恋する文化人類学者』 人は文化人類学者に生まれるのではない、文化人類学者になるのだ - HONZ
始まりは騒々しい街中。子どもの泣き声に夫婦喧嘩の嬌声、食欲をそそる鍋を振る音。息遣いを生々しく感... 始まりは騒々しい街中。子どもの泣き声に夫婦喧嘩の嬌声、食欲をそそる鍋を振る音。息遣いを生々しく感じさせるこの街の騒音が、男は無性に好きだった。突然、音に溢れるこの街に、ひときわ大きな太鼓のリズムが鳴り響く。音の源へ急いだ男の目は一人の少女の踊りに奪われた。その舞は、これまでに見たどんなものよりも激しく、華麗だった。衝撃的な出会いから男と少女の間に恋が芽生えるまで、それほどの時間はかからなかった。後にこの少女は男の妻となる。 奇跡的な出会いからの恋愛、多くのハードルを乗り越えての結婚だけでも十分に劇的だが、この少女は後にその歌と踊りで国民的スターとなるというのだから話題には事欠かない。ドラマになりそうな要素満載の筋書きだが、本書のストーリーは日本で放映されるようなドラマとは異なる点が多い。先ず、彼らが出会った街は東京でも、ましてやパリやニューヨークでもなく、コート・ジヴォワールの大都市アビジ
2015/02/03 リンク