長谷川町蔵の文章: ホールデン・コーンフィールドは映画が大嫌い

2010年1月31日日曜日 ホールデン・コーンフィールドは映画が大嫌い 以下は『ハイスクールU.S.A. アメリカ学園映画のすべて』の文中コラムをリミックスしたものです。 「J・D・サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」、チープトリックにイールズ、『カサブランカ』に『モンティ・パイソン』ってとこかな。」これは2000年公開の学園映画、その名も『学園天国』で、幼馴染女子のフェイバリットを従兄弟に教えるときの主人公のセリフだ。発表から半世紀も経っているのに高校生のフェイバリット。かようにサリンジャーはアメリカ文化系にとって定番中の定番なのである。サリンジャーは１９１９年生まれ。１９５１年に発表した『ライ麦畑でつかまえて』で、それまで”小さい大人”と思われていたティーンが、子どもでも大人でもない独自の思考体系を持った生きものであることを主人公ホールデン・コーンフィールドの饒舌な一人称文体で実証

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サリンジャー