Listen♪♪NHK-FM

年末と言えば｢ベートーベンの第9｣。師走の声を聞くと、日本各地で第9の演奏会が催され、あるいは合唱で参加して、あるいは聴衆として、有名な｢歓喜の歌｣のメロディーが耳に入ってくる。N響にはこれまでにクルト･マズア(2009年)、レナード･スラットキン(2008年)、ウラディーミル･アシュケナージ(2005年)、クシシュトフ･ペンデレツキ(2004年)といった世界の一流指揮者が客演し、名演を繰り広げてきた。今年の指揮は、ドイツの重鎮ヘルムート･リリング。バッハの専門家として世界的に著名なリリングはCD170枚以上におよぶバッハ合唱作品全集録音を完成するなど、合唱の世界で際立った業績を上げている。ベートーベンの｢合唱つき｣を77歳の巨匠リリングがどのようなアプローチで聴かせるのかが今年の第9の聴きどころのひとつである。定期演奏会とは違う緊張感が、年末特有の開放感と混じりあい、聴衆にも深い感動を与