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300mの崖に宙吊りになった登山遭難者の遺体を回収する“前代未聞の作戦” 47人の自衛隊員がライフルと機関銃で撃ちロープを切断すると… | 山はおそろしい | 文春オンライン
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青山隊員はすぐに詰所を飛び出し、一ノ倉沢に向かう。途中で通報者と合流して、1時間半後には、早くも岩... 青山隊員はすぐに詰所を飛び出し、一ノ倉沢に向かう。途中で通報者と合流して、1時間半後には、早くも岩壁の基部にたどり着いた。 「あれ、人間じゃないか?」 目の前には、標高差300メートルにおよぶ垂直の岩壁が突き立っている。これこそが、長いこと「登攀不可能」として日本の登山界で名を馳せた「衝立岩」である。難攻不落を誇った衝立岩は、この前年、1959年についに登られたばかりだった。 青山隊員はその衝立岩に目を向けた。すると、岩壁の真ん中あたりに、不自然な赤い一本の線が見えた。よく見るとそれはザイル(登山用ロープ)である。その赤い線をたどって目線を下げていくと、その末端にはなにやら黒っぽい塊がぶら下がっている。 「あれ、人間じゃないか?」 右の三角形の岩壁が衝立岩。ここに人間が吊り下がっていた… そこまでの距離は200メートルほど。人間のように見えるものの小さくてよくわからない。青山隊員はさらに近