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書評 伊藤昌亮『曖昧な弱者の時代』岩波新書、二〇二六年|藤崎剛人
評判が良いというので、褒めている人たちの顔ぶれに危うさを感じながら読んでみたのだが、案の定であっ... 評判が良いというので、褒めている人たちの顔ぶれに危うさを感じながら読んでみたのだが、案の定であった。最初に総括すると、この本は結論があらかじめ決められており、その決められた結論に従って、あらゆる論拠が取捨選択されている。そのあらかじめ決められた結論を既に共有している者たちが、この本は極めて貴重で斬新な結論を提供していると評価しているのである。端的に言おう。この本には手垢のついた「リベラル批判」しか書かれていないということである。 この本の冒頭を読んで驚かされるのは、前書きで伊藤が掲げる最初の前提が既に疑わしいということだ。まず、近年の差別主義の高まりについては、女性や外国人ばかり優遇されて、自分たちも苦しいのにずるい、という妬みの感情があることが新しいと伊藤は主張する。しかし、このような差別の型は歴史上ありふれている。ユダヤ人迫害にせよ、公民権運動の時代にせよ、マイノリティはマジョリティよ


















2026/06/12 リンク