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芝居と演技の分け方|山口貴之|音響監督
「ここって、どういう感情ですか?」 音響監督をしていて、収録の現場で役者さんから一番よく聞かれる質... 「ここって、どういう感情ですか?」 音響監督をしていて、収録の現場で役者さんから一番よく聞かれる質問です。マイクの前で、少し困った顔でこちらを見る。真面目に読んできた人ほど、聞いてきます。 この質問に答えるとき、私は必ず一度考えます。いま聞かれているのは「芝居」の話なのか、「演技」の話なのか。 この二つ、私の中では完全に別のものです。二つを混ぜたまま話すから、こじれる。現場のすれ違いの半分くらいは、ここじゃないかと思ってます。 初回なので、まずこの二つを分けるところから書きます。 私の分け方先に断っておくと、これは私の分け方です。業界の共通用語ではありませんし、別の分け方をしている方もいると思います。 芝居とは、シナリオに書いてあるドラマや感情を、観客に伝えること。 演技とは、キャラクターを魅力的に見せること。 向いている方向が違うんです。同じ一本の台詞の中で同時に起きているから、混ざって

