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「村上春樹WORKS」特設サイト | 新潮社
「なにしろ歳月こそが」 二十九歳のときに生まれて初めて小説(らしきもの)を書き、それが文芸誌の新人... 「なにしろ歳月こそが」 二十九歳のときに生まれて初めて小説(らしきもの)を書き、それが文芸誌の新人賞をとるまで、自分が小説家になるなんてまったく考えもしなかった。しかし受賞の知らせを受けたその時点から、「僕は小説家なのだ」と確信するようになった。性格がただ厚かましいだけなのか、それともそこで僕は「本来の自分を見いだした」ことになるのか、どちらかは今でも判別しがたい。 しかしともあれ、それから半世紀近く、ほぼ休みなく小説を書き続けてきた。書きたいときに書く、書きたくないときは書かない、というのが小説家としての僕の一貫した方針だった。原則として注文は受けない。そのようにいわば気の向くまま、勝手にこつこつ書き上げてきた作品が、全集という改まったかたちになった。積み上げるとけっこうな高さになる。 最初の頃のものと、あとになってからのもの、年を経るにつれて作品の中身も文体もずいぶん変化を遂げている。





2026/09/02 リンク