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まえがき――氷室冴子『新版 いっぱしの女』より|ちくま文庫|氷室 冴子|webちくま
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まえがき――氷室冴子『新版 いっぱしの女』より|ちくま文庫|氷室 冴子|webちくま
人にはさまざまな〈忘れられないひとこと〉というのがあると思うのだけれど、ここ数年でいえば、私にと... 人にはさまざまな〈忘れられないひとこと〉というのがあると思うのだけれど、ここ数年でいえば、私にとってのそれは、 「あなた、やっぱり処女なんでしょ」 というものだった。 それは私が三十になるか、ならないかのころのことで、私にそう尋ねたのは四十をひとつふたつ越した男性だった。 彼はとある活字媒体の記者というのか編集者というのか、ともあれそういう人で、当時、その圧倒的な部数ゆえに無視できなくなっていた“少女小説”だの、“少女小説家”だのの記事を書くために、私にインタビューにきたのだった。 彼が聞くのは年収だとか部数だとか、やたらと数字のことばかりで、税務署か興信所みたいな人だなと思っていたのだけれど、その最後のほうで、彼はそう尋ねたのだった。もっと正確にいうなら、 「やっぱり、ああいう小説は処女でなきゃ書けないんでしょ」 という言葉づかいで。そのときの彼の口調は、すこしもイヤらしくはなく、どちら